東京都の池袋と埼玉県の西武秩父の間を結んでいる西武鉄道の看板特急「Laview – ラビュー」。
今回はこの特急車両についてご紹介していきます!
池袋駅の特急専用ホーム
西武池袋線の起点、池袋駅から乗車していきます。
池袋駅には一般の通勤電車が発着するホームとは別に、特急専用ホームが用意されています。ホームには既にラビューが停車しています。
ユニークすぎる外観
暖色系のライトで照らされたホームに入ると、大きな窓がずらりと並んでおり異様な光景が広がっています。
ラビューの一番の特徴はなんといってもこの側面の大型窓です。大きすぎて車内の座席が上から下までまる見えです。
この窓は縦1350mm×横1580mmのサイズがあり、巨大な固定の窓が並ぶ光景は、まるでお店のショーウィンドウのようです。車体は銀色1色ですが窓から見える黄色い座席がアクセントになっています。
車体側面に刻まれた「Laview 001」のロゴです。ロゴの文字は鏡面仕様になっており、目立つというよりは馴染むような表示の仕方です。
Laviwの由来は次の通り。
L…贅沢(Luxury)なリビング(Living)のような空間。
a…矢(arrow)のような速達性。先代の10000系の愛称「レッドアロー(Red Arrow)」も意識してる?
view…大見な窓から移りゆく眺望(view)
先頭部分も特徴的で球面形状の前面デザインとなっています。球面すぎるあまり、連結器周りの床下機器が見えています。貫通扉が設置されており、地下鉄直通も考慮されているようです。
黄色をテーマカラーとした車内
池袋駅では発車15分くらい前に清掃が完了し、扉が開きました。
車内に入ってまずデッキの部分。
デッキは壁から天井まで黄色一色となっています。扉もトイレの中も黄色。唯一床だけが黒いタイルとなっています。外が銀色一色な分、中で弾けたようなデザインです。
デッキから客室内へ。
客室内は黄色一色のデッキ部とは異なり、座席は黄色、床はブラウン系の絨毯、壁と天井は白という構成になっていて、落ち着いた空間となっています。
日除けには白いカーテンを採用。
閉めた状態でも外の光がやわらかくはいるようなものとなっています。このカーテンの採用や間接照明を使った明るい空間演出で、今までの鉄道車両にない、まさにリビングのような客室空間となっています。
座席部分を拡大。
座り心地はとてもいいです。池袋から西武秩父までは1時間30分程乗車することになりますが、ずっと座っていても疲れません。
2つの座席の間はしっかり仕切りがあるので、一人が主の通勤利用時にはありがたいです。最近は仕切りがないと結構、境をはみ出してくる人も多いので…。
背もたれ部分に設置されている枕にはLaviewの文字が刻まれており、枕はお好みの高さに調整することができます。
リクライニングも個人的には不満がないくらいちゃんと倒れます。
テーブルは背面テーブルの他に、座席横から取り出すミニテーブルがついています。座席を向かい合わせにしてもミニテーブルは使うことが可能です。
各座席の間にはコンセントを装備。車両の端にある座席には壁に固定された簡易的なテーブルがあります。
座席の脚は座席間の真ん中にあるので足を伸ばすことも可能です。
右の写真は座席に座っている際の筆者の膝です。窓は膝より下の部分まで伸びていて改めてその大きさを体感します。
前面展望は見れるのか
運転席は高運転台で、結構広い空間が確保されています。ラビューの運転席後部は乗降デッキではなく座席になっています。
ただし、運転台が高いので左側2席はあまり前が見えません。前面展望を楽しみたいのであれば右から2番目の席に座って貫通扉から景色を見るのがベストです。
側面窓の眺望は抜群にいい
池袋駅を発車すると多くの列車とすれ違います。窓がでかいだけあってすれ違う列車も下から上まで車両全体を見ることができます。
西武池袋線・秩父線は都心側では複々線区間もあり、数多くの列車が走る都会的な雰囲気。飯能から先、単線の山岳区間に入ると山々の中を走る風光明媚な車窓が楽しめます。
窓をセンターに座席を向い合せにすると、大きい窓をグループで独占できます。
総評と注意点
眺望も乗り心地もいいですが、個人的に最も好きな部分は側面の外観デザイン。車体は銀色1色でシンプルかと思いきや、大きな窓から見える車内の黄色い座席がアクセントになっている。
外観デザインを車体の塗装やラッピングでデザインするのではなく、車内の座席を使ったデザインが考えられている(多分設計者は意識していると思う)ところに感動しました。大きな窓を使ったラビューならではの考え方であり、今までの鉄道車両にはなかった要素だと思います。
その外から見える座席の色が黄色という点も好きです。
現在では青やグラデーション塗装の通勤車両が多いですが、少し前までの西武鉄道の車両は黄色がメインカラーでした。これも意図しているかはわかりませんが、少し伝統を受け継いでいる感じがして好印象です。
唯一残念に感じたのは、窓の間の柱が太くなっている点。やはり、この部分に座ってしまうと眺望はあまり良くないです。おそらく、天地方向にでかい窓を使用するにあたって、車体の強度を確保するために、柱を太くせざるをえなかったのだと思います。
対策として、ラビューに乗る際は座席を選べない自動券売機ではなく、駅の窓口かネット予約「Smooz」で特急券を買うといいです。駅の窓口では販売員に事情を伝えれば、柱じゃない部分の特急券を発行してくれると思います。または、座りたい号車と座席をネット等で調べて号車番号と座席番号を販売員に伝えるのもいいと思います。ネット予約「Smooz」では購入する際に座席を「シートマップから座席を指定」を選ぶと、好きな座席の特急券を購入できます。シートマップには窓割も書いてありますし、個人的には一番簡単でおすすめな買い方です。
西武池袋線は飯能駅で進行方向が変わるので、何も考えずに買ってしまい、柱の部分の座席になってしまった場合でも、飯能駅をまたいで乗る場合は座席を回転してしまうのもありです。後ろに人が座っていた場合は向かい合わせになってしまうので難しいですが…。
2022年12月現在、西武池袋線・秩父線の特急列車は全てこの001系ラビューで運転されており、1時間に1~2本運転と高頻度で運転されているので気軽に乗ることができます。こんなユニークな車両が高頻度で運転されているのは、なかなかに驚きです。
みなさんも是非乗ってみてください!